思わずネギの幻覚が見えそうになるほどの空腹

 N・MとN・Hはそれぞれ持ち前の「デキる人のマイペース」で、玄人染みた鍬捌きでもって畑を耕している。見比べてみると、別々の持ち場で畑仕事をする二人の足並みが阿吽の呼吸の如く意識せずとも軒並み揃っていることに私は凝然とした。N・MからN・Hへと、百姓染みたN家のDNAはしっかりと受け継がれているようだ。
 遠くから、正午を告げる鐘が微かに聞こえてくる。弁当までは、あと少しの辛抱だ。言い聞かせるも、目の前にあるネギのタネでもいいから、と本能的にヒマワリの種を貪り食うハムスターのように私はそれを本能的に口にしたくなってくる。これまでの1ヶ月間にも及ぶ道場の生活で揉まれに揉まれて、それなりに体力が付いてくれたおかげで以前よりかは疲れにくくはなったものの、やはり人間空腹までには完全に打ち勝つことはできないようだ。
 正午を回って少し経った頃、ようやくN・Mから昼飯の声が掛かり、すぐさまその場に座り込むなり全身が脱力感に襲われた。ネギの種蒔きに備えた作業で、午前中は立ったりしゃがんだりを延々と繰り返していたせいか、私の両脚はすっかりと棒のようになってしまっていた。脚 やせ ダイエット